非常用発電機 模擬負荷試験とは?

今回は非常用発電機の模擬負荷試験の様子をご紹介します。

非常用発電機

一定規模の建物には、スプリンクラーや屋内消火栓、排煙機などの防災設備を備える必要があります。
その設備が災害などで停電になったため使えない、という事にならないように非常用発電機が必要とされています。

以前から、消防法・電気事業法それぞれの法令によって、無負荷(空ふかし)での試運転は行われていましたが、非常用発電機のほぼ全てで採用されるディーゼルエンジンの場合、負荷が掛からない状況で運転すると不完全燃焼によるススが発生しやすい欠点を抱えています。

そのススが配管やシリンダーに堆積していくことで、本来の出力が出ない・異常停止してしまうなどの悪影響がありました。実際、2011年の東日本大震災では、正常稼働できなかった非常用発電機の多くは整備不良だったようです。

そこで、負荷運転を行う事で、性能点検と内部のススを燃焼排出させましょう! という目的から、消防法において30分以上・定格出力の30%以上での負荷運転点検が必要となりました。

※ ガスタービンエンジンの場合は、無負荷でもススの堆積など悪影響がないため、法令上は負荷試験は実施不要です。
※ ディーゼルエンジンの場合も、内部観察点検によるススの除去対応を行うなど、代替措置が設けられています。

負荷運転といっても、実際のポンプなどを動かすことはせず、写真のような負荷試験機(ヒーター)を繋いで負荷をかけてあげます。
今回は130kVaの非常用発電機なので、この試験機1台で30%の負荷をかけていきます。

負荷試験機 結線 負荷試験機

今回は、準備やオイル点検、負荷試験で2時間程の点検作業となりました。

 

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