築30年以上の建物に設置されたエレベーター制御盤には、PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む可能性のある「進相コンデンサ」が使われているケースがあります。
PCBは人体や環境に有害であり、法律で厳しく処理期限が定められています。
今回は、千葉県船橋市にある1991年築マンションで行った進相コンデンサの交換工事の様子と、PCB処分に関する注意点をご紹介します。
進相コンデンサとは?
進相コンデンサは、古いエレベーター制御盤などに使われていた電気効率(力率)を改善するための装置です。当時のモーター制御では、この装置がないと余計な電流が流れ、電力の無駄が生じていました。
現在主流のインバーター制御では、進相コンデンサは基本不要となっており、新しい設備にはほぼ使われていません。
交換が必要な理由
進相コンデンサの多くは密閉型で、中にPCBという有害な化学物質を含む可能性があります。
- PCBは高い絶縁性能と耐久性を持ちますが、環境や人体に有害
- 含有の有無は、容器を破壊しないと判断できないケースも多い
- 処分せず放置していると、法的なリスクを負う可能性もあります
現場での交換作業の様子
作業の流れを写真付きでご紹介します
- 交換前
交換前のコンデンサ - 交換後
交換後のコンデンサ - 取り外し品
取り外したコンデンサ
PCB処理のルールとリスク
PCBを含む機器は、法律で次のように処分期限が定められています
種別 | 処分期限 | 現状 |
---|---|---|
高濃度PCB | 処分終了 | 処理施設が閉鎖済み。保管継続しか手段なし |
低濃度PCB | 2027年3月末まで | 現在も処分可能。対応は急務 |
エレベーター制御盤の更新時期の見極め方
以下のような場合は、更新や部品交換の検討をおすすめします
- 1990年代以前の建物
- インバーター制御でないエレベーターを使用している
- メーカーや管理会社から更新提案がない
- 制御盤内部に劣化や錆が見られる
古い制御盤には進相コンデンサが使われており、PCB含有のリスクがあります。
また、PCBは厳しく法規制されており、期限を過ぎると処分不可となる恐れがあります。
建物オーナー様にとっては、早めの確認と対応が重要です
当社では、こうした見えにくい設備リスクもふまえた、計画的な更新や対応のご提案を行っています。不動産管理でのお困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください
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