こんにちは! 今回は、少し数字に踏み込んだ「不動産投資の効率」についてのお話です。
築年数が経過した物件のオーナー様から、 「古いから建て替えたほうが、高い家賃が取れるんじゃないか?」 というご相談をいただくことがあります。
確かに、新築にすれば家賃(トップライン)は上がります。 しかし、最新の産業データを紐解くと、今の市況で建て替えを選択することは、「投資効率(利回り)を自ら悪化させるリスク」が非常に高いことが分かります。
なぜ、新築よりも「既存物件の更新(リノベーション)」の方が収益性が高いのか? PM(プロパティマネジメント)の視点から、その仕組みを解説します。
1. 「家賃」よりも「建築費」の上昇幅が異常値
まず、投資の大原則ですが、利回りは以下の計算で決まります。
利回り = 年間家賃収入 ÷ 投資総額(建築費など)
ここ数年、都心の家賃相場は上昇傾向にありますが、それ以上に異常なカーブを描いて上昇しているのが「建築コスト」です。 人手不足や資材高騰により、同じ規模のビルを建てるコストは数年前とは比較になりません。
つまり、建て替えで家賃(分子)が1.2倍になっても、建築費(分母)が1.5倍〜2倍になってしまえば、最終的な利回りはガクンと下がってしまいます。 今の市況での建て替えは、投資判断として「割に合わない(ROIが低い)」ケースがほとんどなのです。
2. 「躯体」は捨てずに、「中身」で稼ぐ
そこで、最も投資効率が良いのが、既存の躯体(コンクリートなどの骨組み)を活かした「戦略的な更新(バリューアップ)」です。
新築の場合、基礎や躯体工事に莫大なコストがかかりますが、既存物件の更新なら、投資を「設備・内装・外観」といった「入居者が価値を感じる部分(家賃に直結する部分)」に一点集中できます。
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建て替えの場合:投資の7〜8割が「構造体」に消え、内装に回せる予算はカツカツ。
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更新の場合:投資のほぼ全額を「商品力の向上(セキュリティ、水回り、デザイン)」に投下できる。
どちらが「家賃アップ」というリターンに対して効率的か、答えは明白です。 さらに、建て替えに伴う「解体〜竣工までの無収入期間(1年〜数年)」による機会損失(逸失利益)がない点も、キャッシュフロー上、決定的な差となります。
3. レポートが示す「選ばれる既存物件」の条件
産業調査のデータでも、新築供給が鈍化する一方で、オフィス・住宅ともに「既存ストック」への需要は高まると予測されています。 ただし、それは「ただ古い物件」ではなく、「時代に合わせてアップデートされた物件」に限られます。
私たちPMが提案するのは、表面的なリフォームではありません。 周辺の競合リサーチに基づき、 「このエリアなら、オートロック後付けで家賃5千円アップでも決まる」 「宅配ボックス設置のコストは、空室期間が1ヶ月短縮できれば半年で回収できる」 といった、数字に基づいたCAPEX(資本的支出)計画です。
まとめ:賢いオーナーは「分母」を抑えて「分子」を上げる
これからの時代、安定した賃貸経営を続けるために大切なのは、「建物の新しさ」だけではありません。「既存の資産を賢くアップデートし、長く収益を生む物件に育てていくこと」です。
「建て替え」というハイリスクな選択をする前に。 今ある物件のポテンシャルを最大限に引き出し、最小の投資で最大の収益を生むプランを一緒に考えませんか? 投資分析に基づいたご提案なら、ぜひ私たちにお任せください。